診療について

臨床データ

成人のデータ

日吉歯科診療所のデータの背景
Prognostic factor 
予後の要因

Compliance and Tangible patient benefit
コンプライアンスと明確な患者利益
Minimum Intervention with Maximum outcome could be an actual tangible patient benefit.
最小の侵襲で最大の結果を残す事は患者利益となる

Compliance as a prognostic factor
予後因子としてのコンプライアンス

Study design.1
この臨床研究に含まれる患者は544人で、15年から23年の経過観察が行われた。
(平均経過観察年数は完全なコンプライヤーで18.74年、2年以上メインテナンスの間隔があかないで継続して来院しているコンプライヤーで19.02年であった)
完全コンプライヤーは、466人、2年以上メインテナンスの間隔があかないで継続して来院しているコンプライヤーは、98人であり、ノンコンプライヤーはこの臨床研究には含まれていない。

Study design.2
統計処理の過程で、患者の年齢、性別、メインテナンス期間、喫煙本数、歯周病の進行度が、調整された。
完全なコンプライヤーと2年以上メインテナンスの間隔があかないで継続して来院しているコンプライヤーの歯肉出血度、プロービング値、プラーク付着状況、DMFT、歯牙喪失をロジスティック回帰モデルを使って統計的に分析した。

結果:ロジスティック回帰モデル
・サロゲイトエンドポイントでは、完全なコンプライヤーの方が 2年以上メインテナンスの間隔があかないで継続して来院している コンプライヤーよりも改善されたが、 トルーエンドポイントでは完全なコンプライヤーも 2年以上メインテナンスの間隔があかないで継続して来院している コンプライヤーも違いは見つからなかった。
・結論としては、 2年以上メインテナンスの間隔があかないで継続して来院している。 コンプライヤーであっても、メインテナンスの継続性がしっかりしていれば 明確な患者利益が得られるということである。

■15年以上メインテナンス患者の口腔状態について

調査対象:
2003年9月末のデータで、最終来院日が直近2年以内かつ初診日が2年以上前の患者

目的:
当診療所に15年以上前に来院し、メインテナンスに通う患者に対して、どのくらいの利益を提供できているか検証すること。


結果:
年齢分布に差があるが、中高年以降は15年以上管理患者と直近2年初診患者とほぼ同数になっていた。


■15年以上治療のみの患者
+現在の残存歯数


+15年以上患者の残存歯数の変化


■15年以上患者の各条件別喪失歯の比較
+15年以上管理患者のメインテナンス中の喪失歯数


+結論と考察
15年以上前に来院し、その後メインテナンスに通う患者は多くの歯が残っており、70歳前後で残存歯数は22.0本だった。75歳以上では、17.8本で、直近2年未満で初診来院した患者や歯科疾患実態調査よりも約10歯の歯を多く保存できていた。

直近2年初診患者は、残存歯数、DMFT ともに歯科疾患実態調査とほぼ同じ結果であった。

15年以上管理患者の中で初診時に中等度以下であったものが90%以上を占めており、ほとんどが15年以上歯周病進行がなかった。
15年以上管理患者の中で初診時に7mm以上のポケットがなかったものについては、メインテナンス中の喪失歯は平均0.6本以下で、初診時の状態がよければ、より良好にコントロールできることがわかった。

15年以上管理患者の中で継続して喫煙している者は、高齢になるとメインテナンス中の喪失歯が多く、75歳以上で3.2本だった。
しかし、15年以上前に初診で来院して、メインテナンスに応じず、主訴があれば来院する患者群と比べると、初診時からの残存歯数の変化は低く抑えられていた。つまり、喫煙者に対しても、メインテナンスによる利益を提供できていた。

15年以上管理患者の初診時の残存歯数と直近2年初診患者とを比べると、後者の方が若干良かった。これらの患者が長期メインテナンスを受ければさらに良好な結果になると予想される。
これからメインテナンスを受けずに、治療のみに訪れることになれば、今回の結果と同じようにメインテナンスをしているものとの差は長期的に見ると歴然となるだろう。
その差は、今後の日本人の平均的な口腔状態とメインテナンスが普通に行われている歯科先進国の状態の差を表しているのではないだろうか。

15年以上管理患者に対して、明らかな患者利益を提供できていたが、抜歯に至る歯が1人当たり0.8本あった。過去の修復治療が由来で破折や縁下カリエスをコントロールできなかった場合、抜歯適応でありながら残していたために抜歯になった場合などが考えられる。今後は、一歯単位でその歯の治療歴、抜歯理由を検証し、予防のための処置を講じたい。
また、乳幼児期から来院し、メインテナンスを受けて、カリエスフリーの永久歯となっている患者の長期経過を追っていくことによって、若年期に修復介入のないことがどの程度残存歯数に影響するのかが明らかになるだろう。

■日吉歯科診療所に2003年末でメインテナンスに来院している全患者さんのデータ
+メインテナンス中の喪失歯数別人数分布


+メンテナンス中の喪失歯数別人数比


+私の診療室における数値目標
目標1: 5歳児でカリエスフリー90%以上を実現する
目標2: 12歳児でカリエスフリー90%以上を実現する
目標3: 20歳成人でカリエスフリー90%以上、歯周病のない状態を実現する
目標4: 新たなう蝕・歯周病の発症をコントロールし、70歳時の平均欠損歯数を5歯以下にする

+日吉歯科診療所の現状
5歳時でカリエスフリー90%は未達成(49.6%)
12歳時でカリエスフリー90%を達成(6歳未満より来院患者)
20歳時でカリエスフリー90%は未達成(6歳未満より来院患者で68.4%)
70歳時の平均欠損歯数5歯以下は未達成
(15年以上定期メインテナンス患者で5.7本。あと0.7本)


→小児歯科データ




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